紙をめぐる話|紙の研究室 No.06
紙の密度をご存知? |
四六判110kgといえば、四六判サイズの紙1000枚の重さが110kgの紙のこと。けれど、同じ四六判110kgの紙でも実のところ、厚さはそれぞれ異なります。その秘密を握っているのは「紙の密度」。今回は四六判110kgベースの紙を集めて、厚さと密度を比較してみました。密度の高低により、紙厚や断面の様子に大きな違いが生じます。
初出:PAPER’S No.37 2011 春号
※内容は初出時のまま掲載しています
紙の密度とは?
密度は、紙の質量を表す数値です。一般的に密度の数値が高いほど薄い紙に、低いほど厚い紙になります。
同じ厚さの紙
紙厚:薄
繊維
空隙
紙厚:厚
繊維
空隙
紙には空隙(くうげき)と呼ばれる繊維間の隙間があります。主にこの空隙の量によって、紙の密度が変わります。たとえ繊維の量が同じでも、一般的に空隙が少ないほど密度の高い締まった紙になり、空隙が多いと空気を含んでふかふかとした密度の低い紙になります。また、A2コート紙とクラシコトレーシング-FSのように密度が同じ紙でも、つくり方に応じて断面図の様子が違います。