
紙の研究室No. 32
混抄紙──
環境をまわす紙
環境素材としての紙の可能性が注目されています。そのひとつが、混抄紙。本来は捨てられるはずの廃材や端材、自然素材を混ぜ込み、紙として再び活用できる仕組みです。竹尾でも取り扱いのある3つの代表例をご紹介します。

紙の生まれる風景No. 31
大子那須楮(だいごなすこうぞ)楮蒸し
凍てつくような寒さのなかで、 みな黙々と働いていた。関東平野の北端に位置する茨城県久慈郡、 大子町。古くより和紙の原料である楮の栽培をつづけ、
今と未来へ伝えようとする人々が静かに暮らす山深い町。ここで育つ楮は高品質の和紙に仕上がるといわれ、本美濃紙や越前奉書などの名だたる和紙に使われている。
楮蒸しは、 収穫した楮(こうぞ)を蒸気で柔らかくする工程。

紙について話そう。No. 35
梅原 真・中井希衣子・原 研哉
TAKEO PAPER SHOW 2023の開催に伴い、今回は特別編をお送りします。展示会の書籍内の鼎談「地の笑い」より、「洗練を重ねてきた、本気のヘタ」の一部をお読みいただけます。

コレクションNo. 35
ボルトで綴じる作品集
Chaotic Order/
混沌とした秩序
『髙田唯 AXIS』は、グラフィックデザイナー髙田唯による日常的なワークや実験的なプロジェクトをボルドー色の厚紙GAボード-FSで包んで、真ん中のひとつのボルトで綴じる、 という意表を突くデザインの作品集。編集から装幀、発行までを手掛けたのは、北京を拠点とするグラフィックユニットori.studioです。

コレクションNo. 34
芸術として刷られたマンガ
──SHUEISHA
MANGA-ART HERITAGE
マンガの一コマを、こんなに長く見つめたことがあったでしょうか。これは、マンガを消費財ではなく、後世に受け継がれるアートにする試み。体温や肉声まで感じられるような濃密な空気感、気づかなかった細部の発見等々、雑誌やコミックスとはまったく違う、異次元の体験がもたらされるこの作品は、ドイツ・グムンド社が主催する2021年のグムンドアワードを受賞しています。