紙をめぐる話|紙の研究室 No.34

リソグラフ
──予測できない。
  だから楽しい印刷手法

ズレる。かすれる。ムラがでる。でもスピーディ。でも鮮やか。でもすべて一点もの。リソグラフは理想科学工業が開発したデジタル孔版印刷です。発色のいい蛍光色やレトロな風合いが魅力で、活版印刷、箔押しとの併用も可能です。色を重ねて印刷することで混色を楽しむこともできますが、重ねる順番や色の濃度によって仕上がりが変わるため、どんな表現になるのかを完全に予測することは難しい印刷手法です。しかし近年では、その偶然性を新しさと捉えてリソグラフを楽しむ若い年齢層の人々が増えているそうです。効率化や均質化が進む現代に軽やかなアンチテーゼを唱え、印刷することの意味を再定義する。リソグラフはいま、そんな存在なのかもしれません。

初出:PAPER'S No.68 2025 冬号

かすれ

紙の表面の凹凸が大きいほど、印刷がかすれやすい。

ズレ

色ごとに製版し版画のように重ね刷りをするため、わずかにズレが発生する。

ムラ

インクに水分が多く含まれているため、面積が広く濃いベタ部分はムラになる。

混色

色を重ねる順番や濃度によって仕上がりに違いが出る。

分版

インクの色そのものが印刷色であるため、鮮やかな発色の仕上がりになる。

取材協力:猪飼俊介(PRINT+PLANT)

 

無版式(デジタル印刷)

インクジェット方式

電子写真方式

リソグラフ

微細な孔を多数開けた版(マスター)にインクを通過させる孔版印刷の原理に、理想化学工業独自のデジタル技術を融合。

有版式

孔版印刷

平版印刷

凸版印刷

凹版印刷

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