紙をめぐる話|紙の研究室 No.08

パッケージ用紙の特性
─気包紙(きほうし)

ひと口に“紙”と言っても、ポスターや書籍に使う紙と、パッケージに使う紙とでは、求められる機能は異なります。「包む」「守る」「運ぶ」「伝える」という、製品として流通する際にパッケージ用紙に必要とされるのはどのような機能なのか?今回は、パッケージ用紙として開発された「気包紙」とともにその特性を探ります。

初出:PAPER’S No.39 2011 秋号
※内容は初出時のまま掲載しています

パッケージ用紙に求められる機能

強さ

中身を守る包装としての強度。それは強度を高める針葉樹パルプの配合率によって変わります。【右図1】

耐光性

長期間、店頭に陳列されるパッケージには耐光性が求められます。退色を防ぐために塗液を使用する場合もあります。

耐折性

パッケージをつくる際に避けられないのが折り加 工。隅々まできれいな形を表現するために必要な特性です。【右図2】

防汚性・防キズ性

製品としての美しさを持続するため、汚れやキズに対する耐久性が必要です。PP加工などを施す紙もあります。【右図3】

【1】パルプの拡大写真


針葉樹パルプ


広葉樹パルプ

気包紙には繊維が太く長い針葉樹パルプを約60%配合。
一般高級白板紙に比べて高い割合です。

【2】エッジ拡大写真(気包紙U


特殊加工前


特殊加工後

気包紙は特殊加工により割れが起きにくく、
ベタ印刷も色紙のように美しく折りあがります。

【3】汚れテスト(気包紙C


気包紙C


一般高級白紙

気包紙C特殊塗工により汚れが残りません。
写真はコーヒーをたらして拭き取った後の状態。

気包紙の特徴

風合いの良さ

気包紙の最大の特長は、従来のパッケージ用紙に求められる機能に加え、「風合い」という特性を備えている点です。ディープ、ミディアム、ライトと風合いに幅をもたせていることに加え、表面の仕上げには非塗工品の「気包紙U」と塗工品の「気包紙C」の2種類を用意。全6種類の紙の中から、用途に合わせてふさわしい紙質を選ぶことができます。

紙地の白さ

蛍光染料を使用せず、従来の板紙と一線を画した紙本来のニュートラルな白さを追求しています。

耐折性

塗工品の気包紙Cの高い印刷再現性はもちろん、非塗工品の気包紙Uも風合いを残しながらマットで奥深い印刷表現を可能とします (気包紙Cは片面コートのUV印刷専用紙です)。

環境配慮

防汚・防キズ機能を備えリサイクルも可能です。特殊塗工品の気包紙CはPP加工を必要とせず、環境への負荷を減らせます。

3種の風合い:ディープ ラフ・ミディアム ラフ・ライト ラフ


豊かな印刷表現


細密なエンボスもきれいに表現可能


細かい加工も精密に表現可能


エッジが割れない

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