紙をめぐる話|コレクション No.25

SIKI
紙が呼び覚ます、季節の輝き

色や質感の異なる紙をノートにした「SIKI」は
博報堂と竹尾によって生み出された
新しいステーショナリー。
春のわかば、春の花々、初夏の梅雨、夏の海辺、
夏の陽ざし、秋の実り、冬の雪……
それぞれの季節の風景のイメージが呼び覚まされます。
紙を「色彩SIKI-SAI」ゆたかな「四季SIKI」のように
味わってほしい─そんな思いがこめられているのです。

初出:PAPER'S No.56 2018 春号
※内容は初出時のまま掲載しています

デザイナーの話
杉山ユキさん(株式会社博報堂 アートディレクター)

紙見本帳を解体して一枚一枚並べてみたときにおもしろかったのは、紙名と紙の色の名前です。あまり聞き慣れない日本の色名が多く、同じ名前ごとに束ねてみたら自然と春の新緑のグリーンや梅雨空のブルーなど日本らしい季節の色にまとまっていきました。ページの順番も一枚ずつ考えました。例えばTSUYUは、曇りのあとに雨が降り、晴れ間から虹がかかり紫陽花が咲く、など紙の色や質感、名前からストーリーをつくり一枚一枚順番を決めていきました。
使う方がページをめくるたびに紙から想像力を膨らませてくださると良いなと思っています。
ノートは、持ち歩いて誰かに見せたくなるようにしたくて、使い勝手が良い大きさを考えました。A6のMサイズをまず決めて、Sはひとまわり小さく、Lは折り紙のイメージのある正方形です。
紙の厚みが違うのでそれぞれ枚数は少しずつ違います。中の紙の表情や色の美しさに着目してもらいたかったので小口は斜めにカットしました。十二単のようなイメージです。また、表紙も白でシンプルにして、ロゴもあまり主張しないようにしています。
「日本らしさを感じる」と海外の方に言われました。また、「こんなにいろいろな種類の紙はないよ」とも。日本を象徴する商品としてお土産などに使っていただけたら嬉しいですね。
竹尾には紙の種類がいろいろあって素敵です。見本帖本店に入ったときの“ときめき”も意識しています。デザイナーが感じる、この魔法のような紙の世界の広がりの楽しさを手にとった方にも味わってもらいたいと思っています。

 

WAKABA(春のわかばを感じる紙)、HANAMI(春の花々を感じ紙)、TSUYU(初夏の梅雨を感じる紙)、UMIBE(夏の海辺を感じる紙)、HIZASHI(夏の陽ざしを感じる紙)、MINORI(秋の実りを感じる紙)、YUKI(冬の雪を感じる紙) の7種類で展開。それぞれS・M・Lがあります。めくるたびに変わる紙の色彩や手触りで、四季のうつろいが感じられます。

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