- 16.06.03
多摩美術大学アートテーク 竹尾ポスターコレクション・ベストセレクション10「ノイエ・グラーフィクとその時代」展
竹尾ポスターコレクションは、ニューヨークの
ラインホールド・ブラウン・ギャラリー・ポスターコレクションを、
竹尾が創業100周年記念事業の一環として1997年に購入したものです。
多摩美術大学に寄託し、竹尾と同学グラフィックデザイン学科による共同研究として、
1998年よりコレクションの研究に取り組んでいます。
このたび、共同研究の成果発表となる展覧会
竹尾ポスターコレクション・ベストセレクション10
「ノイエ・グラーフィクとその時代――グラフィックデザインの新潮流1958‒1965」展を
多摩美術大学アートテーク(同学八王子キャンパス内)にて開催いたします。
ぜひこの機会にご覧ください。
竹尾ポスターコレクション・ベストセレクション10
「ノイエ・グラーフィクとその時代――グラフィックデザインの新潮流1958‒1965」展
会場: 多摩美術大学八王子キャンパス アートテーク 1Fギャラリー
会期: 2016年6月3日|金|―6月24日|金|
開館時間: 10:00-17:30
休館日: 日曜日
主催:多摩美術大学
共催:株式会社竹尾
企画:竹尾ポスターコレクション共同研究会
協力:ラルス・ミューラー・パブリッシャーズ
今から60 年ほど前の1957 年9 月、スイスから国際デザイン誌『ノイエ・グラーフィク』が創刊されました。第2 次世界大戦の終戦から10 年あまりが経過し、世界が進むべき未来を見定めようとしていた時代に登場したこの伝説的雑誌は、グラフィックデザインの将来像を身をもって示すことで、日本を含め、世界的な影響力を持つことになります。
本展覧会は、『ノイエ・グラーフィク』の制作に携わったヨゼフ・ミューラー=ブロックマンをはじめとする4 人のスイス人デザイナー──リヒャルト・パウル・ローゼ、ハンス・ノイブルク、カルロ・ヴィヴァレリらの仕事を竹尾ポスターコレクションから選定し、『ノイエ・グラーフィク』の記事内容と絡めて再構成するものです。
それぞれ違った個性の持ち主である彼らを結びつけたのは、合理性や機能性を優先する「構成的グラフィック」でした。第2 次大戦後、世界の距離がますます縮まり、新たな衝突が起こりえる未来として予見された時代、「構成的グラフィック」は世界規模で展開されるべき共通理念として捉えられ、時代を見つめる冷静な表現として戦後デザインの方向性を指し示しました。
絶え間ない技術革新や新しいメディアの到来によって、新しい時代の入り口に立っている私たちにとり、彼らのとった姿勢や掲げた理念、その表現を、改めて問い直すことは大きな意味があるはずです。本展覧会が、再びこれからの世界とデザインの未来を考える機会なれば幸いです。
―竹尾ポスターコレクション共同研究会